整形外科の診療

リハビリテーション室

治療方針

始めは、問診にて症状と経過を確認します。
次に、簡単な理学所見(関節の動きを調べたり、筋力を調べたり、・・・etc.)をとります。
最後に、レントゲンにて骨関節の状態を検査します。
診断確定後は、内服薬、外用剤、注射、物理療法、装具療法を組み合わせて治療を開始します。どの治療法を選択するかは、その時の状況に応じて、ベストミックスを考えます。

代表的な疾患例

腰痛・下肢痛

最も多い疾患の一つです。腰痛と下肢痛が同時に出ることもあれば、片方のみの場合もあります。下肢痛はいわゆる坐骨神経痛です。痛みは消炎鎮痛薬の内服や湿布で比較的何とかなりますが、痺れはやっかいで、長引くケースも少なくありません。神経の代謝を良くする薬や血流を良くする薬も用います。また、牽引、低周波、温熱療法などの物理療法やコルセットの装着もおすすめです。腰痛にはトリガーポイントブロック(注射)も速効性があります。

関節痛

年齢とともに各所の関節は傷んできます。変形性関節症と呼ばれるこれらの変化は、小は手指の関節から、大は膝・股関節まで全身のすべての関節に現れます。背骨にも現れ、腰痛・下肢痛の原因になります。膝や股に現れた変形性膝関節症変形性股関節症は歩行困難の原因になり、腰痛・下肢痛とならんで、QOL(生活の質)を低下させ、運動器不安定症へと進展する危険があります。薬物療法、物理療法とならんでヒアルロン酸の関節内注射が短期的な疼痛緩和と長期的な関節軟骨保護に有効です。

頚部痛・肩こり

高齢者で多いのはいわゆる五十肩症候群(肩関節周囲炎)です。肩のみならず腕まで症状が出ます。夜間痛も特徴的です。また首の背骨の変形(頚椎症)により首の痛みや肩こり、上肢の神経痛が出る場合もあります。判別がつきにくい場合は、首と肩の両方のレントゲンを撮ります。デスクワーク、特にPC作業が多い方は、頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)の可能性もあります。首・肩の温熱療法や牽引療法、薬物療法に加え、トリガーポイントブロックも著効します。

骨粗鬆症

誰でも加齢とともに骨強度は低下するものです。特に女性は閉経後に急激に骨密度が減少します。骨強度の低下は骨折リスクへとつながり、骨折は特に高齢者の場合、要介護へと直結する場合もあります。いちど減ってしまった骨密度を上げるのは容易なことではありません。また、骨折が起きてしまっては手遅れです。普段からの予防的治療(骨を減らさない)が何よりも重要です。当院ではその場で結果が出る骨密度測定を行っており、その日から治療を開始できます。また、骨粗鬆症による腰痛に有効な注射薬もあります。

外傷

学生や若い方のスポーツ中の怪我は少なくありません。特に運動会のシーズンなどは捻挫が増えます。捻挫は装具による固定、重症ならギブスシーネにて固定すると局所安静が得られます。軽症なら固定しない場合もありますが、再受傷して重症化してしまうケースもあるので、固定をおすすめします。骨折もギブス包帯やギブスシーネでの固定が原則です。初期には頻回に様子をみせてもらい、消炎鎮痛薬も状況に応じて変更してゆきます。